
小山泰正 教授 |
Yasumasa Koyama |
大学院専攻: 電子物理システム学専攻 |
強相関電子系Sr1.8La0.2MnO4において、電荷軌道整列相から軌道整列相への相転移の際に見られる変調構造の階層性。電荷軌道整列(ICOO)領域には、周期約2.7nmの変調構造を示す縞状コントラストが観察されます。さらに、この状態には、ICOO領域と軌道整列(OI)領域との交互配列、すなわち約10nmの周期を持つ変調構造も存在しています。この酸化物の軌道整列相には、後者の変調構造を経由して、特異な分域構造の出現が見出されています。 |
1976年 東京工業大学工学部金属工学科 卒業
1978年 同大学院理工学研究科修士課程 修了
1981年 同大学院博士課程修了、工学博士
●職歴
1981年 東京工業大学工学部助手
(1985年−1987年 米国Purdue大学博士研究員)
1989年 早稲田大学理工学部助教授
1990年 同大学材料技術研究所兼任研究員
1994年 同大学理工学部教授
●受賞
日本金属学会ジェフリース賞(1979年)
日本金属学会論文賞(1981年)
日本金属学会功績賞(1996年)
[研究内容]
固体は、通常、原子の周期的な配列によって特徴付けられています。このため、固体の電子状態や物理的性質は、その原子配列から導かれる対称性に基づいて理解されます。ここで、固体では、温度変化や時間の経過に伴って起こる相転移や相変化により、対称性の破れを生じることが知られています。私の研究室では、この対称性の破れた状態に興味を持ち、構造の階層性と非平衡状態という視点から、固体における新たな状態の探査を行なっています。現在行なっている研究テーマは、(1)金属間化合物相に見られる共有結合性構造単位から成る結晶構造での高次構造、(2)誘電性固体での強誘電および反強誘電分域構造とその階層性、(3)強相関電子系物質での新規な非平衡状態の出現等です。
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