カリキュラムの構成
電子工学と物理学を基礎として、物性物理、電子光工学、システム設計を学びます。カリキュラム表にあるように、「マテリアル」、「ナノテクノロジー」、「光通信」、「システム設計」という科目群に分類される多彩な必修科目と選択科目が設置されています。1年次ではまず、人文・社会科学系の素養、理工系共通の基礎的素養を身につけることを目的として、基幹理工学部共通の科目群を履修します。2年次では、電子物理システム学科に設置されたすべての科目の基礎となる科目を履修します。電子物理システム学科の科目群は、低学年において基礎学問を対象とした必修科目を履修し、高学年に進むにしたがって、より専門性の高い先端的な学問領域へと段階的にステップアップできるように配置されています。また、もの作りのセンスの体得、多角的視野と柔軟な思考能力の獲得を目的として、豊富な実験・演習科目が設置されていることも当学科カリキュラムの特徴の1つです。3年次では、物質科学、電子・光科学、機能集積システムに関する専門科目を履修したのち、4年次には研究室に配属して最先端の研究を行い、卒業論文をまとめることになります。 本学科のディプロマポリシー(DP1-DP5)のもとに、年度ごとに見直しを行いながら、学科独自の講義・演習・実習を開講しています。

DP1 基礎物性分野の学問を体系的に修得することにより、物質に与る物理の基礎を理解し、応用できる力を習得する。

DP2 エレクトロニクス分野の学問を体系的に修得することにより、電気・電子技術の基礎を理解し、応用できる力を習得する。>/p>

DP3 光エレクトロニクス分野の学問を体系的に修得することにより、光技術の基礎を理解し、応用できる力を習得する。

DP4 情報システム分野の学問を体系的に修得することにより、情報処理システム化技術の基礎を理解し、応用できる力を習得する。

DP5 基礎物性分野、エレクトロニクス分野、光エレクトロニクス分野、および情報システム分野の境界を結び、演習を含めて体得することによって、分野横断的な応用力をを習得する。

学科配属
基幹理工学部では、学生の募集を各学科に分けない一括入試で行います。すなわち、基幹理工学部に入学した後、すぐに電子物理システム学科に配属されるわけではありません。1年次ではまず、学科に配属せずに、人文・社会科学系の素養、理工系共通の基礎的素養の修得を目指すと同時に、数学、機械科学、情報科学、数理科学、電子物理科学、表現科学などについての展望を持つことを目的とした共通科目群を履修します。これらの科目は、2年次以降にどの学科が自分にとってもっとも相応しいのかを判断する指針を与えるためでもあります。2年次以降の専門科目を通して、マテリアル、ナノエレクトロニクス、光エレクトロニクス、システム設計といった最先端の学問を学ぶ場が、電子物理システム学科になるでしょう。

進路の方向性
電子物理システム学科では、エレクトロニクスおよび光エレクトロニクスを基礎からしっかり勉強し、この分野の専門技術や専門知識を身につけた人材を育成します。したがって、電気・電子機器メーカ、素材メーカ、通信・放送事業体、自動車・航空宇宙などの企業、および官公庁への就職に加え、金融、商社、教育機関などへの就職も見込まれます。もちろん、より高度で専門的な能力を修得するための大学院修士課程進学も推奨されます。基幹理工学部は、大学と大学院修士課程の一貫教育という教育研究体制を基本構造としており、これまでの例から見ても、毎年、8割以上の大学院進学を見込んでいます。なお、電子物理システム専攻への進学はもちろんのこと、各教員が所属する大学院の専攻にも推薦を受けて進学することができます。具体的には、ナノ理工学専攻(先進理工学研究科)、情報理工学専攻(基幹理工学研究科)、物理学及応用物理学専攻(先進理工学研究科)、電気・情報生命専攻(先進理工学研究科)、生命理工学専攻(先進理工学研究科)、大学院国際情報通信研究科、大学院情報生産システム研究科です。このように、将来に向けて、多くの可能性と選択肢が広がっています。